街中のオシャレなカフェや、セレクトショップの壁や天井にディスプレイされている、ユニークな植物を最近よく目にしませんか?
インテリアグリーンとして人気上昇中の植物、それが ビカクシダ(別名 コウモリラン)です。
流木やコルク板などに着けたり、コケ玉にして吊るしたり、場所を選ばず様々なレイアウトができるため、インテリアグリーンとして楽しむかたが増えています。
ビカクシダは漢字で 麋角羊歯 と書き、意味は『麋(おおしか)=ヘラジカ』の『角(つの)』の様な『羊歯(しだ)』であることが由来です。
元来、麋角羊歯とはビフルカツム(bifurcatum)単体を指す呼称でしたが、近年ではPlatycerium全体を指す総称として使われています。
別名の『コウモリラン』は、葉の形がコウモリが羽を広げぶら下がっている様にも見えることから そう呼ばれています。ランと名がつくものの、ランの仲間ではなくシダ植物のため、花は咲きません。
ビカクシダ(コウモリラン)の基本情報
科・属 ウラボシ科 ビカクシダ属(学名:platycerium)
分 布 アフリカからマダガスカル、南アメリカ、東南アジアからオーストラリア
種 いくつかの亜種・変種に分類され、現在は18種類に識別されています。※交配種除く。
特 徴 自然界においては、岩上や樹幹に着生(ちゃくせい)する着生植物です。葉には2つの種類があり、ツノに例えられる部位の『胞子葉(フォリッジ・リーフ)』と、着生している部位の『貯水葉(ネスト・リーフ)』とで構成されています。胞子葉と貯水葉の中心には、ビカクシダの『成長点』があります。
『胞子葉』の役割は、光合成と胞子生産(繁殖機能)を受け持ち、葉の表面には放射状の白い毛『星状毛』が生えています。※『星状毛』は、エアプランツなどにも生えている『トリコーム(trichome)』の一種です。
この星状毛が濃いほど、白く輝き美しいことから、近年では品種改良の一方向性として確立しています。
『貯水葉』は文字通り雨水を蓄え、岩や樹幹に根を張る役割を受け持っています。木々から落ちてくる枯葉や養分を蓄える機能も貯水葉が担っています。胞子葉ほどではないものの、星状毛が生えています。
『成長点』は根茎の先端に位置し、言わばビカクシダの本体です。この部分を保護する様に、貯水葉が覆っています。